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「せいしんぶんれつびょう!?」
准汰にとってまた初めて耳にする病名だった。
「うん。まぁ、まだ可能性の話だから。それでここでの治療だけど、最初の三日間は強い薬で様子を見させてもらうよ。かなり強い薬だから多分ベッドから起き上がることもできない筈。まぁ、その三日間は寝たままで構わないよ」
紀美子は淡々と話す岸納に不安を覚える。
「お母さん、そんなに心配しないでも大丈夫ですよ。ちゃんとスタッフ達が付いてますから」
岸納は笑顔で言った。
「いや~僕は自分から精神科に入院したいという君の話を聞いた時、一体どんな子が来るんだろうと思ったけど君は大丈夫そうだね。
こんなこと言ったら医師としてのモラルが欠けていると言われてしまうかもしれないけど、普通の人間は自ら精神科に入院したいなんて思わないからね。うちでは君みたいな子は珍しいよ」
岸納はそう言うと豪快に笑った。
「君の場合はね、重症という訳でもないから退院したいと申し入れてくれればいつでも退院を許可しよう。ただ、経過によって病状が悪化するようなら入院を続けてもらうこともあるからね。その辺は宜しく頼むよ。
それじゃあね、これから病棟の方を案内させるんで、後は看護婦さんに聞いてもらえるかな。薬は夕食後に出しておくからちゃんと飲むように」
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