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准汰は病室に戻ると髪を結んでいたゴムを取り、荒々しくベッドに横たわった。
(ピーちゃんって、妖精って何だよ。ったく、勘弁しろよ)
食堂での出来事を思い出すと、准汰はこの先の入院生活が思いやられる気分だった。
(でも、あの人にもまともな時期があったのかな? だとしたら、何であんな風になってしまったんだろう……。それもこれも心に負った傷の所為なんだろうか?)
准汰はCDウォークマンのイヤホンを耳にすると、プレイボタンを押し静かに目を閉じた。
病室に戻ってきた安堵感と薬の作用から、准汰の意識が徐々に遠退いていく。
そして、三曲目のナイトレインが始まった頃には、准汰は深い眠りについていた。
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