准汰と翔四季

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准汰は沙夜のアパートを出てから家に帰るまでの間、結婚や仕事等について今後自分がどうあるべきなのかを考え込んでいた。 そもそも二人には難題が多い。やらなければいけないことが沢山ある。 まずは仕事。家族三人が食べていく為にも、これを見つけないことには始まらない。 それと部屋探し。准汰は実家暮らしだったし、沙夜は今のアパートに姉と暮らしているので、三人で暮らす部屋を早急に探さなければいけない。 そして避けて通れないのが、お互いの親への報告……。 きっと、これが一番の難題になるであろう。 准汰は理想的な順序として、仕事を見つけ、部屋を借り、親へ報告をするのがベストだと思ったが、高校も出ていない自分を正社員として雇ってくれる所がすぐに見つかるとも思えず、一人意気消沈をした。 交差点の信号が青になり、准汰はゆっくり歩きはじめた。途中、自動販売機で煙草を買っていく。 准汰は家の前まで来ると、見覚えのある車が止まっていることに気が付いた。 中からタイミング良く、人相の悪い男が降りてくる。 「お帰り」 翔四季はそう言うと車のドアにけだるそうにもたれ掛かった。
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