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准汰は無言のまま翔四季の横に並ぶと、買ったばかりの煙草を取り出し火をつけた。
だが吸い込んだ煙が不味く感じられ、たちまち不快な気分になってしまった。
准汰は煙草がこんなに不味いのはもしかしたら横に居る翔四季の所為なのかもしれないと思った。
「店、どうすんだよ?」
「悪いけど辞める。オーナーにもそう伝えておいてくれ」
翔四季の問いに准汰はそうはっきりと答えた。
「辞めるって急過ぎだろ。人足りねぇし、せめて引き継ぎが見つかるまで後一ヶ月は顔を出してくれよ」
翔四季も煙草を取り出すと勢い良くマッチに火をつけ、それを煙草の先に当てた。
「何でこうなったかは分かってんだろ。――なぁ、お前等いつからアレをやってたんだよ」
准汰が聞くと、たまたま煙が染みたのか、翔四季は随分と目を細め煙たそうな顔をしてみせた。
「……ジュンは大袈裟だな。んなもん大したことねぇだろ? 何ビビってんだよ」
「あ!? それじゃ答えになってねぇよ。俺はお前と賢斗がいつから覚せい剤なんて下らねぇもんに手出してたかって聞いてんだよ」
准汰は翔四季の態度に苛立ち、不味い煙草を投げ捨てると翔四季の胸倉を掴んだ。
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