甘い夢、厳しい現実

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「もしも反対されたらどうするつもりなの?」 「家も沙夜さんのとこと同じで親父が居ないんですが、おふくろにはちゃんと認めてもらえるように何とかしてみせますから。だから沙夜さんと結婚させて下さい」 准汰は昭子の問いに対し全く良い返答ができず焦っていた。 准汰は何か一つくらい昭子に良い所を見せて帰らなければと思うのだが、そう思えば思う程に頭の中で小さなパニックが起こり、事毎に裏目に出てしまう。 そもそも髑髏がプリントされたTシャツに、ボロボロのヴィンテージジーンズという今日のスタイルでは、全てが空振りに終わっても仕方がないだろう。 准汰は、せめてスーツでも着てくるべきだったかもしれないと思った。
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