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「何を今更言ってんだい。大体アタシはね、あの男の所為で苦労させられてきたんだよ。今までアンタを育てるのに、どれだけ苦労したと思ってるんだい。冗談じゃないよ」
「苦労って、俺のこと邪魔にして伯母さんのとこに預けた癖に。その間にこの男とセックスでもして楽しんでたんだろ？ そうなんだろ？」
「アンタ、何てこと言うんだい。本当にこの子ったら――こんなんなら産むんじゃなかったよ。宗一（そういち）を引き取って育てるべきだったわ」
「……そうかよ、それが答えなのかよ。俺なんて産まれてこなきゃよかったのかよ……」
「そうだよ。大体ね、宗一はアンタと違って親孝行ものなんだよ。ちゃんと大学を卒業して、立派な教師になったんだ。それに比べてアンタときたら、高校も行かないで、ふらふらとこんな不良息子になって」
「……もういい。もう聞きたくねぇよ」
准汰は俯き囁くように言った。
「何がもう聞きたくないだ。そもそもアンタが子供なんて作ってくるからこうなったんでしょうが」
「……アンタの許可なんて、俺はどうでもよかったんだよ。ただ沙夜と赤ちゃんの為に、アンタに認めてほしかったんだ。祝福してほしかったんだ……。けど、分かったよ」
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