激動

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早朝、准汰は雨の中バイクを走らせていた。 古びたカブには、ビニール袋に包まれた新聞紙の束がずっしりと乗っかっている。 准汰はマンションの前でバイクを止めると、手早く新聞紙の束を抜き取り、それを次々とポストに放り込んでいく。 そして一通り配り終えると、再びバイクに跨がり走らせる。 僅かな距離を走ってはまた止まり新聞紙を抜き取っては住宅のポストに入れていく作業。 准汰が新聞販売店に就職して十日が経つ。 仕事は至ってシンプル。朝夕の配達と準備、それと集金。 新人の准汰でもそれなりの給料が稼げる。 ただ常に配達がある為に休みは殆どなく、思いの外拘束時間が長くまた就労時間が不規則で見た目以上にきつい仕事であった。 朝刊の配達を終え販売店に戻った准汰は、店内の軽い掃除をしてから次の仕事に取り掛かる。 朝の仕事が終わったのが午前十時前。次の仕事が始まるのが午後一時。 一旦仕事を終えた准汰は、販売店で朝食を済ませてからアパートに帰った。
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