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「植物状態って、こんなんで良い訳ないだろ! どうして、どうしてこんなことになっちまったんだよ……」
「ジュン……」
「翔四季、こんなとこで眠ってる場合じゃねぇだろ。なぁ、起きろよ。頼むから起きてくれよ」
准汰はその場に泣き崩れた。
佳紀も堪えきれず涙する。
「……翔四季が力を貸してほしいって言った時、俺は冷たく断ったんだ。もしも、もしも力を貸していたらこんなことにはならなかったかもしれないのに。俺は自分のことで精一杯で……」
「それなら俺だって一緒だよ、俺も断ったんだ。決してジュン一人の所為なんかじゃないよ。それに俺達が加わったところで何も変わらなかったかもしれないし」
「いいや、賢斗が死んじまったのも、翔四季が寝たきりになっちまったのにも、その責任の一端は俺にある。もっと本気になって覚せい剤を止めさせるべきだったんだよ……」
准汰は自分のことで精一杯になる余り、親友の薬物問題を放置したことに強く責任を感じた。
今、准汰の胸の内は悲しみと後悔の念で一杯だった。
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