1.中山拓矢

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「絶対にいやだね。」 拓矢に頭を下げられているのは同じくM大学2年の廣江洋一郎だ。洋一郎は拓矢とは真逆の性格の持ち主で、自分のことは自分でやる、完璧主義だ。身長は拓矢と同じくらいだがかなり細い。顔は幼く童顔で、黒目がちなタレ目と小さい鼻のせいでよく高校生に間違われることがある。黒髪の短髪が余計そう見せるのかもしれない。 「ていうか話ってそんだけ?なら俺帰るわ。じゃね。」 拓矢はいつも寝床に困ると洋一郎に頼み泊まらせてもらっていた。洋一郎は一人暮らしをしていて、拓矢からしたら洋一郎の家は上がりやすかったのである。洋一郎はそれをとても迷惑がっており、いつも呼び出される度に憂鬱な気分になるのである。
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