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『…………』
カイは沈黙した。ここで慰めると情が移る。
そう思ったから、もしくはもう移っているのかもしれないが。
カイが気がついた時、リリは静かに寝息をたてていた。
(俺にはどうする事もできないな…)
カイはリリを運んで自分のベッドに寝かせ毛布を被せた。
『―――さて俺は下で寝るとするかな』
カイはタンスから敷き布団を取りだしベッドの横に敷いて横になった。
(コイツ…明日からどうするんだろう…やっぱ出ていくんだろうか…)
隣のベッドで寝ている自分の使い魔の事を考える。
(1人で行かせたら間違いなく死ぬんだろうな…)
恐らくこの世界で生き延びる手段を持たないであろうリリの事を考え、少し憂鬱になる。
(俺に力があれば…旅に出てたかもな…)
リリの事を考えてるうちにカイは深く眠りについた。
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