旅の始まり

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ピピピピピピ 最近買ったばかりの目覚ましの音をうっとしいと思いつつ、カイは目覚ましを止める。 『―――もう朝か…』 カイは寝ぼけながらも昨日の事を思い出した。 辺りにはたくさんのカップ麺が転がっている。 『…そうだ!!アイツは…!?』 慌ててベッドを見るがそこにはすでに姿はなかった。 『なっ……!?』 カイは絶句したが、すぐに普段の様子に戻った。 (予想はしていたが…これでいいんだ…) カイは自分ではどうにもできないと思いベッドに倒れた。 『そうだ…これでいいんだ…』 (あんな魔法も使えないような使い魔…これでよかったんだ…) ふと横を見ると一枚の紙があった。 『なんだこれ…?』 紙にはこう書かれてあった。 カイへ 朝考えたんだがやっぱり私は力を取り戻さなくてはならない。 カイと一緒に行きたかったがカイに迷惑をかけるわけにはいかない。 だから私は1人でもいくことにした。 私を召喚してくれたことにはとても感謝しているぞ! あとかっぷめんは美味かったぞ! 魔法を使えない使い魔ですまないな。 次に会うときはちゃんと魔法を使えるようになってあるだろう! その時はカイの使い魔になってやってもよいぞ! それじゃあな! ありがとう! カイの使い魔、リリより 手紙を読むと小さな声でカイは呟いた。 『―――なにが力を取り戻したときは使い魔になってやろうだよ…力を取り戻すあてもないくせに…』
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