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それは月が紅い満月の日。
荒れ果てた広野に建つ城。
その城は崩れ落ちていき、外からは生き物の気配すらなく、そこの王の間にはたくさんの兵の死体があり、死体から臭う血の匂いが充満している。
『くっ…!!ここまでか!!』
絶世の美女と呼ばれたこの女は身体中が傷だらけになりこの状況を嘆いた。
『ハァ…ハァ…生き残りは…いないか…気配を全く…感じぬ…』
生き残りは一人もいないとわかると、
美女は自分もここまでかと悟りその場に倒れた。
『ハァ…自分の生まれたこの城で…死ねるなら…本望だ…』
自分で自分に皮肉を言い、心の中で自分は頑張ったと自分を誉め称えた。
諦めよう。これが自分の運命だと言い聞かせながら美女は目を閉じることにした。
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