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『ちょっと待てよ』
『!?』
急に背後から突然声がし、リリはカイかと期待したが違う。と即座にわかった。
(―――すごい殺気だ。これほどの殺気の持ち主がこんなとこにいたのか…)
リリは嫌な汗が流れ、戸惑いを隠せなかったが、強気で相手の方に振り向いた。
『誰だ!?』
そこには赤い髪をした不良のような青年と背後には十数名の兵士が立っていた。
青年はさらに殺気を帯びた声で喋りはじめた。
『名乗る義理はない!と言いたいが一応名乗ろう。俺は十神将の1人・鉄拳のカズという。』
『十神将…?知らんが…その十神将様が私に何の用だ!?』
リリは雰囲気でだいたいは察していたが確認のために尋ねた。
だがカズは少し呆れた声で質問に答えた。
『面倒なので単刀直入に言う。お前に恨みはないが…バカな上司の意思のために死んでくれ』
『私も単刀直入に言おう。私には使命がある。そんなバカな願いを私が聞き入れると思うか?』
リリはカズの言葉を同じ様な感じで返す。
カズはそれを予想していたようで全く動じずに首の骨を鳴らした。
『まあ、そうだろうな…そしてお前は逃げるんだろう?』
『ふっ、当然!あいにく私はこんなとこで死ぬわけにはいかないのでな!!』
リリはカズが言葉を発する時には既に走っていた。
『だから今日は部下に任せず…』
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