旅の始まり

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―――――町の南出口近くの大通り―― 先ほどから戦いは続きカズは体力をかなり消耗していた。 『…ふぅ……ハッ…鉄拳!!!』 カズの気を乗せた必殺のストレートをシュウに目掛けて放つ。 『…そのパンチは当たらなければどうということはない♪』 シュウは重剣で鉄拳を受け流した。 するとシュウの背後の空き家の壁が粉々に砕けた。 『怖いね~当たったら人たまりもないな♪』 『当たる気なんかこれっぽっちもないくせにな!』 カズはパンチを連続して撃つ。 シュウはそれを重剣で受け流す。 こういう流れが先ほどからずっと続いていた。 シュウは戦いより逃がした少女の方を心配していた。 (早く行かねーと…あんな兵士にも勝てないような姿してるし…どうしようか…ってそういやこいつ魔法使えないはず…じゃああの魔法でいいじゃん♪) シュウは策を考え付きその策を実行に移した。 『よしっ!』 『…!?』 シュウはバックステップでカズから距離をとった。 『さすが十神将か…このままじゃ拉致が明かねーな…』 『…?今さら怖じ気ついたのか!?』 『ちがうな…今から俺は奥義を出す…それで一瞬で方をつける…お前も死にたくなけりゃ逃げるがいい…!』 『逃げる…?バカを言うな!お前が奥義を出すならこちらも奥義で方をつけるまでだ!!』 カズはシュウの言葉に不機嫌になり、奥義の構えをした。 『逃げないか…ならば俺の奥義を食らうがいい!奥義…』 『チッ!うぉー!必殺…』 カズはシュウの気迫に呑まれ奥義を繰り出した。 だがシュウは奥義とは少し違うものであった。 『と見せかけて…光の初級魔法!フラッーーシュ♪』 『うぉ!?』 カズは何が起こったかわからず目を押さえて怯んだ。 『さて…今のうちにさよなら~』 『ちょっと待て!卑怯者!』 カズは目を押さえながら逃げようとするシュウを呼び止めた。 『待たねーよ!それに勝負に卑怯もクソもあるか!』 『ふざけんな!!待てお前ー!!』 カズが叫んだ時には既にシュウの姿はなかった。 『あの野郎…!次に会ったら叩きのめしてやる!』
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