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リリは契約の事を考え悲しい表情を見せた。
『私には無理だよ…だって契約だよ!?契約したらカイは私と一生パートナーになっちゃうんだよ!?私みたいな魔法も使えない使い魔と契約したら、カイに迷惑がかかっちゃうよ!それに…』
『うるさい!』
カイは声をあげて、リリを黙らせた。
『うるさいって…!なん…』
『今から力を取り戻すんだろ?じゃあ迷惑はかからねぇ…それに…』
『それにってなによ!?だって私…』
カイは立ち上がりリリの肩を掴み、瞳を見つめて言った。
『俺は!お前がいいんだよ!!お前をパートナーにしたいんだ!!!』
『!?』
リリは口許を押さえ涙を流した。
『――さあ…こ、ここまでい、言ったんだぞ!さ、さっさと契約しやがれ…!』
『―――うん…』
カイは顔が真っ赤になり、リリは嬉しそうな表情をしていた。
周りの兵士達はカイ達めがけて武器を持ち、走りだしていた。
カイとリリの間には妙な空気が流れていた。
『じゃ、じゃあ…するね…』
『お、おう!さっさとし、しろよ!』
『う、うん…』
リリの顔がカイに近づいていき…
2人は瞳を閉じて…
唇を重ねた。
2人は今まさに殺されようとしている事も忘れていた。
『死ねー!!』
兵士達はもう目前に迫っている。
やがて2人の唇が離れ、長いようで短い口づけが終わった。
『け、契約…完了…だ…』
『お、おう…』
2人の顔の頬は赤く紅潮していた。
その時カイの体が光りはじめた。
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