5.イン・フィーリングス

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シオは素早く尻込みした少年に駆けよった。アレンもデウスエクスマキナに乗ったまま付いていく。 「大丈夫か?!」 「あっ…、うん、一応。」 澄んだ細々とした声で少年は応じた。 灰色の髪に金色の瞳をしている。整った目鼻立ちにはどこか翳りがあるが、パッと見はショートカットの少女にも見える、華奢な少年だった。 シオは右手を差し出し、少年を助け起こす。 背はシオと並ぶ程、だが華奢で小柄な体つきには重い靄のような空気がまとわりついていた。 左手に半透明の緑色のプレートを持っている。 「怪我無いか?」 「うん大丈夫、大丈夫だよ…。」 突然デウスエクスマキナが飛んできた状況とほとんど話したことが無いシオが突然話しかけてきた事に少年は眉をひそめた。 「でもあれじゃあしばらく使えないねぇ。」 アレンがデウスエクスマキナの上から呟いた。 衝突した衝撃で機能が停止したらしく、少年のデウスエクスマキナは折り重なって動かない。
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