5.イン・フィーリングス

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シャーロックの行動自体は浅はかだが、シャーロックがデウスエクスマキナをシオの元まで飛ばすのは容易い事ではない。 シャーロックからシオの元まで十メートルも無いが、人間の背丈はある金属の塊を飛ばすにはあのハンマーを使った所で、それを扱うだけの筋力、技量が揃っていなければならない。 シャーロックは間違い無く「本物」だった。 「すげぇな…。」 思わず口から零れた。 「あの子もねぇ~…。」 エリスの顔は別の方を向いている。 視線を追うと、別の少女がいた。 赤みがかった茶髪に緑色の瞳をした少女、シェリルだった。 右手には古びていながらも鋭利なレイピアを持ち、四肢を出しているデウスエクスマキナと対峙している。 シェリルはデウスエクスマキナが繰り出す突きをバックステップと上体をわずかに反らすだけでかわす。 デウスエクスマキナが魔法を使おうとするものならすかさずレイピアを突き出し、関節に当てて構えを崩す。
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