5.イン・フィーリングス

50/66
前へ
/913ページ
次へ
ラウルをそのまま鼻先で拳をやり過ごし、引き倒された。 ラウルを引っ張ったのはデイジーだ。だが、何か考えていたわけではない。 彼女にはシオが倒された状況や、デウスエクスマキナが襲い掛かってきている場面は見えていない。 ただ、デウスエクスマキナの拳、目の前に迫る物体に対して、反射的にラウルを引っ張っただけだ。 デイジーはラウルを引っ張った勢いで拳を繰り出す。手応えがあった。 殴った事があるモノだ。 「ん?デウス…なんたら。」 デウスエクスマキナは数歩下がった。 想定外だったろうが、機械からは焦りは見えない。 間髪入れずラピッドファイアを撃ち込む。 デイジーは直進してすり抜けて、殴りかかる。 しかし、次は手応えが無い。 デウスエクスマキナは縮地で僅かに前に出て、後ろに回り込んでいた。 デイジーは勘で気配がする方向に右足を突き出した。
/913ページ

最初のコメントを投稿しよう!

863人が本棚に入れています
本棚に追加