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ラウルをそのまま鼻先で拳をやり過ごし、引き倒された。
ラウルを引っ張ったのはデイジーだ。だが、何か考えていたわけではない。
彼女にはシオが倒された状況や、デウスエクスマキナが襲い掛かってきている場面は見えていない。
ただ、デウスエクスマキナの拳、目の前に迫る物体に対して、反射的にラウルを引っ張っただけだ。
デイジーはラウルを引っ張った勢いで拳を繰り出す。手応えがあった。
殴った事があるモノだ。
「ん?デウス…なんたら。」
デウスエクスマキナは数歩下がった。
想定外だったろうが、機械からは焦りは見えない。
間髪入れずラピッドファイアを撃ち込む。
デイジーは直進してすり抜けて、殴りかかる。
しかし、次は手応えが無い。
デウスエクスマキナは縮地で僅かに前に出て、後ろに回り込んでいた。
デイジーは勘で気配がする方向に右足を突き出した。
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