5.イン・フィーリングス

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ラウルはへたり込んでしばし呆然とデイジーとデウスエクスマキナの戦いを見ていたが、デイジーが倒されたのを見て我に返った。 「アッ…アンコネクテッド!」 ラウルは相手が自分のデウスエクスマキナだと直感し、接続解除のコードを叫んだ。 それでも、デウスエクスマキナは魔法を放つ構えを解かない。 (リモートコントロールされている?!) デウスエクスマキナはためらい無く溜めた電気で雷電系魔法「サンダーバード」を放つ。 鋭角を持った雷の矢がラウルを襲う。 ラウルはプレートを出して空間系魔法「クリアシェル」で結界を張ってサンダーバードを弾き、チャージインパクトでデウスエクスマキナを退かせ、自身も退いた。 ラウルは肩で息をしながら、デウスエクスマキナを見つめた。 チャージインパクトは毛ほども効いていない。ゆっくり構え、右手の中指でラウルを挑発した。 ラウルはこの時点で悟っていた。自身をこの状況に追い詰めてた存在を、自分に何をさせたいのかと。 全てわかっていた。 自分がどうすべきかと。 プレートを拳が震えるくらい力強く握り締めた。 このまま割れてしまえばいい。 そう思いながらも、ラウルはプレートを構えた。
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