5.イン・フィーリングス

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だが、リクは意識の先端をラウルに戻した。 「…だったら、アイツ危ねぇじゃねぇかよ!」 リクは鳳嘴を持って、走りだそうとすると、シオが腕を思い切り引っ張った。 「云ったはずだ、勝てないよ、リクじゃ。」 「それでも放っておけるわけねぇだろうがよ!」 振り返って激昂するリクに、シオは瞳を初めてリクに向けた。 鮮やかな空色の瞳に翳りを、突き刺すような暗みを浮かべて。 人を見ているのではなく、ただ眼前の光景を吸い込む瞳で。 だが、リクに置いたのは言葉だけだった。 「リクじゃ、アレには届かない。」
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