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リクはたじろいた。
いや、気圧されたのだ。
言葉が続かなかった。
リクは何も語らず、唇を噛み締めた。
背中に伝わる、クラスメイトのざわめきがリクの心を引っ張ったが、リクはその力に抗った。
その時、リクは酷く己が惨めに、小さく感じた。
「おいっ、あれっ!!」
シャーロックの言葉にシオとリクも自然とラウルの方に視線を向けた。
ラウルの周囲に緑色の発行する粒子の霧が立ち込める。その霧の中には例のプレートが幾枚も並び、さらに霧を形成する粒子が次々とプレートを生産している。
デウスエクスマキナはラウルの出方が読めず、構えを保ちながらラウルと対峙した。
霧が薄くなる毎にプレートの枚数は増える。
霧が完全に立ち消えると、ラウルの前には数百枚のプレートが綴じられレキシコンになり、背後にプレートが歪曲して出来た薔薇のようなオブジェが発生し、発行するチェーンでレキシコンを繋いだ。
「ルーイ・クラウスター・ジュニアの名を以て命ずる。」
ラウルは淡々と、呟くように唱えた。
「織りなせ、ウィル・オブ・ウィル。」
ウィル・オブ・ウィルと云う名のレキシコンは、静かに覚醒した。
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