863人が本棚に入れています
本棚に追加
ラウルはプレートを発動させようとするが、デウスエクスマキナはすでに配置を見切っていた。
ラウルが潜ませたプレートの数歩手前で高々と跳躍する。
しかし、無機質な言葉がデウスエクスマキナに届いた。
「わかっているよ。」
見切っていたのはラウルもまた、同じ。
そのままプレートを発動させると、緑色の光の束から氷の柱が伸び始める。
「ホワイトアウト。」
氷水系魔法の一種でターゲットを周囲の水分ごと氷結させるホワイトアウト。
体から滴る水は、たちまちデウスエクスマキナをその氷の柱と繋ぐ鎖に成り変わり、銀色の塊を空中で固定させた。
デウスエクスマキナはもがいて氷を砕こうとするが、関節部分も凍り付いていて、易々とは行かない。
ラウルはオブジェを切り離し、浮上させた。
オブジェは重力を逆巻き、デウスエクスマキナの前に着く。
瞬間、花がバラけ、構成していたプレートがデウスエクスマキナを取り囲んだ。
「ライトニングヴェスパー。」
ラウルの一言で、デウスエクスマキナは青白い雷電に包まれた。
最初のコメントを投稿しよう!