5.イン・フィーリングス

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ラウルはプレートを発動させようとするが、デウスエクスマキナはすでに配置を見切っていた。 ラウルが潜ませたプレートの数歩手前で高々と跳躍する。 しかし、無機質な言葉がデウスエクスマキナに届いた。 「わかっているよ。」 見切っていたのはラウルもまた、同じ。 そのままプレートを発動させると、緑色の光の束から氷の柱が伸び始める。 「ホワイトアウト。」 氷水系魔法の一種でターゲットを周囲の水分ごと氷結させるホワイトアウト。 体から滴る水は、たちまちデウスエクスマキナをその氷の柱と繋ぐ鎖に成り変わり、銀色の塊を空中で固定させた。 デウスエクスマキナはもがいて氷を砕こうとするが、関節部分も凍り付いていて、易々とは行かない。 ラウルはオブジェを切り離し、浮上させた。 オブジェは重力を逆巻き、デウスエクスマキナの前に着く。 瞬間、花がバラけ、構成していたプレートがデウスエクスマキナを取り囲んだ。 「ライトニングヴェスパー。」 ラウルの一言で、デウスエクスマキナは青白い雷電に包まれた。
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