5.イン・フィーリングス

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たっぷりと雷電を浴びたデウスエクスマキナは夥しい電気が溜まり、発生した電熱によってホワイトアウトが溶けて脆くなり、デウスエクスマキナは無様に崩れ落ちる氷塊と共に地面に叩きつけられた。 ピクリとも動かない。中でも回路がショートしているのだろう。 道場内は一転、緊張から歓声が満ち溢れた。 ラウルは無言でウィル・オブ・ウィルを粒子化させた。 そこに別の男子生徒が肩を叩いてきた。それを引き金にラウルの周りには一気に人が集まった。 「お前すごいなぁ!あんなレベルを倒すなんてさ!」 「あの武器何?!あんなの見たこと無い!」 「あんな魔法の使い方できるなんてさぁ!」 「キミ名前は?!色々教えてよ!」 四方八方から言葉を浴びせかけられ、ラウルは戸惑い、恥ずかしげに押し黙った。 「まぁまぁ、この子も疲れているみたいだし、休ませてあげようよ。」 エリスが人混みに割って入ってきた。 尤もな意見に皆ボリュームを抑えた。 しかし、まだ興奮は冷めやらないらしく、騒々しさはやまない。 「シオとデイジーが怪我したみたいだから誰か係呼んで!シオは大丈夫みたいだから、私はデイジーに付き添ってるから。」 一人の女子生徒が頷いて道場を出た。
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