5.イン・フィーリングス

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ガチン 鈍い、鉄と鉄が軋み合う音が鳴った。 「っ!!」 エリスとラウルは瞬時に構えた。 機能が回復したらしいデウスエクスマキナはガクガクと痙攣しながら起き上がった。 魔力が注がれている以上稼働し続ける設定である故、デウスエクスマキナは接続解除されない限りは与えられた命令を全うする。 「またっ…!」 ラウルが歯軋りした瞬間、デウスエクスマキナは突発的に起こった波動に吹き飛ばされた。 波動は一見は風のようだが、青みを帯びた粒子を伴っていた。 それは風圧でデウスエクスマキナを吹き飛ばすだけでなく、粒子がデウスエクスマキナを浸透したようにも見えた。 その波動が飛んできた方向に立っていたのは、杖を右手にしたシオだった。 デウスエクスマキナを見る瞳に、視線にすら翳りを纏わせている。 デウスエクスマキナはもう動かなかった。 それを確認したシオは、構えを解いた。 一度瞬きした目は元の空色。
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