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「理事長。」
少しの沈黙の後シオは理事長に話しかけた。
「ん?」
理事長はフードを被った頭を少し傾けた。
「監察員の俺が…自分がよくわからない俺が学校に入っていいのかな?」
シオは少し早口になっていた。さらに静かに、それでも力強く言葉を紡いだ。
「俺は充分魔法が使えるし、生きる上で必要な知識は持っている…。学校に入る意味なんて…。」
そこまで云ったシオをすぐに黙り込んだ。
理事長が自分に入学を薦めた事には彼なりの好意や愛情が含まれているのは彼もわかっていた。
今の言葉がそれを踏みにじったのではないかと感じたから彼は黙ったのだ。
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