6.ダンジョンプレイ【ハイド・アンド・シーク】

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「あれは…、ちょっとした特性で…。」 「魔力を消すアブラカタブラ、じゃなさそうだよね。あれは風と混ぜられないし。」 アレンの読みは鋭い。シオは諦めた。 「うん、魔力を中和する…みたいな効果がある。粒子だけじゃ、無力だから風と組み合わせている。」 アレンは溶けかかっている氷をピンと弾いた。 「ふーん、理にかなっているね。結構スゴい魔法じゃん!完全にオリジナルの組み立てだし、開発には時間かかったでしょ?」 「うん、一応…。」 小さな嘘だった。 生まれた時から、瓦礫の中から出てきた時から扱えた。まるでそうなるべくして在ったように。 そこに掛けた時間も、想いも無い。 シオからしたら、髪や瞳の色を決められないのと同じ。自分の中に居着いたモノだ。 何の存在の証にもならない。 何のためにあるかもわからない。 ただ、在るように在るだけ。 シオは、嫌いだった。 「その魔法の名前ってあんの?」 「…術は色々分けているけど、総称して呼んでいる名前は…」 その魔法、「アトモスフィア」が。
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