1.シオ・クォール

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先述した通りに彼には二年前以前の記憶は無い。瓦礫で発見されてから彼は一年間保護され、また一年から今までを監察員(ティーチャーズ)として生きてきた。 彼はその間学校に関わりを持っていたが直接生徒に会ったり、その生活を体験したことはない。 彼には個人としての記憶は無くても生きる上で必要な知識、魔法の扱い方に関する知識も持っている。 彼にとって学校に入ることは必要のない過程に過ぎなかったから、「何故学校に入れるのか」は当然湧き上がる疑問だった。 「何故入れるかって?『君にとって必要だから』、ただそれだけさ。」 黙り込んだシオに理事長は言葉を紡ぐ。
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