6.ダンジョンプレイ【ハイド・アンド・シーク】

7/64
前へ
/913ページ
次へ
ラウルは疲れた様子で俯いていた。 エリスがそれに気付いて声を掛ける 「大丈夫?ラウル。」 「昨日からたくさんのファンに囲まれっぱなしだからね。」 アレンが気の毒そうにラウルを見やった。 リクが苦々しく云う。 「どいつもこいつも、兄貴がアドレフォストの関係者って知った途端ラウル引っ張り回してよ!あんなに群がったらたまったもんじゃねーよ。」 「またまたぁ、羨ましいくせに!」 「何でだよ!」 ラウルは俯いていたままポツリと零した。 「うん…、ゴメン。でも慣れてるから…。」 「っつか、なんで同じ名前なんだ?ラウルが本名なんだろ?」 ラウルにシャーロックが素朴な疑問をぶつけた。 「僕の家は…代々嫡男はルーイ・クラウスター・ジュニアの名前とウィル・オブ・ウィルを受け継ぐしきたりなんだ…。兄さんが、アドレフォストに関わって…勘当されたから、僕が…。」 思わず暗い過去に触れてしまい、シャーロックは気まずそうに頬を掻いた。
/913ページ

最初のコメントを投稿しよう!

863人が本棚に入れています
本棚に追加