6.ダンジョンプレイ【ハイド・アンド・シーク】

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アナウンスの後、上級生が入る十分の間、皆は思い通りに迷宮を巡る。 純粋に迷宮を楽しむグループもあれば、真面目に上級生を倒す算段をするグループ、勝てないと判断して適当にぶらつくグループもいる。 シオは時折話しかけてくるクラスメイトに適当に返しながら、迷宮の地図を見ながら構造を独りで分析していた。 迷宮はかなり入り組んだ造りだが、中央は中規模な広間になっている。また、複雑な道筋だが東西南北のゲートは二つ目の曲がり角で一回り出来るようになっていた。 迷宮の材質は一様に同じアスファルトで、かなり頑丈だ。だが、よく見ると微細な傷が散らばっており、強力な衝撃を与えれば破壊は出来そうだ。 シオは杖で壁を叩いてみた。鈍い音が鳴るだけ。 響きはしなかった。
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