6.ダンジョンプレイ【ハイド・アンド・シーク】

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同時刻、中央制御室。 いつものように生徒会がパソコンを前に作業しているが、昨日の演習時より速く光の輪が行き来している。 「もうじき1-Bのダンジョンプレイだ、記録を開始しろ。」 「了解。」 「5 in 2の四人は待機しているな?」 リカルドはマグカップの中のコーヒーを啜った。 「えぇ、準備万端よ。でも、リカルド…。」 サリアが遠慮がちにリカルドを見やった。 「なんだ?」 「ダンジョンプレイは上級生は五人一組でやるのが恒例よ?アルフレッドが抜けていても四人で充分だけど…。あなたがそういう通例守らないのは珍しいわね。」 「あぁ…一応五人目は見つけてある。序盤に出さないだけだ。時間内に入れれば問題ないだろ?」 リカルドはコーヒーを飲み干した。 サリアは怪訝そうにリカルドを見やる。 「誰を入れたの?」 「それは…秘密だ。一応サプライズだからな。我々が退屈しないための趣向さ。まぁ、楽しみにしていてくれ。」 中央制御室にブザーが鳴り響く。ダンジョンプレイ開始の合図だ。 「さぁ、Hide & Seekと行こうか。」 リカルドは胸の内の鼓動が早くなるのを感じた。
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