6.ダンジョンプレイ【ハイド・アンド・シーク】

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迷宮の中でブザーが鳴り響く。PDAの制限時間を示すタイマーも、時を刻み始めた。 迷宮内には興奮を孕んだ悲鳴が木霊する。足音があちこちから聴こえ、マップの上の四十個の青いマーカーが散乱した。 シオはひとまず手近な袋小路に入って様子を伺うことにした。 周囲は勇気あるクラスメイト四人が連絡を取り合いながら、出現する敵を待ち構える。 シオはPDAには目もくれず、門から南ゲートを凝視していた。 ギィ…、とドアが開き、中から人影が浮かび上がる。 「今だっ、やれっ!」 まだ人影が顔を見せていないタイミングで潜んでいた四人が一斉に攻撃を仕掛けた。 恐らく入った瞬間に相手を一人リタイアさせる算段なのだろう。 全員が各々の武器と魔法を以て徹底的に人影を攻撃する。 だが、瞬時に鼓膜が破れそうなくらいの爆音が轟き、四人はあっという間に吹き飛ばされ、隘路の中を転がされた。 全員一瞬で失神したらしく、倒れた体の周囲に光が放出し、花が閉じるように体を包んで消えた。 PDAのカウントが、四つ減った。
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