6.ダンジョンプレイ【ハイド・アンド・シーク】

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「さぁて、と…。」 女はブーツの靴音を響かせながら迷宮を歩く。途中上着のポケットを弄り、ヘッドフォンから大音量響いていたBGMを止めた。 「他はケツ隠して逃げてったのなぁ!誰だぁ?まだ残って隠れてる野郎は!」 シオの胸の中に電気が走る。 (…気付かれている?) シオは女から10m近く離れた三つ目の角に隠れている。 シオなりに気配を消していたし、マイクフォンで通信していたり、ヘッドフォンからヘヴィメタルを垂れ流してばかりで索敵をするような行動はしていない。 「ブルってんのか…あぁ?だったら…」 女は音叉を床に叩きつけた。 「炙り出してやるっ!!」 澄んだ音を掘削音でかき消しながら、衝撃波がシオの眼前を通った。 「んくっ…!」 シオは思わず仰け反った。アスファルトの床が抉れ、破片が飛び散る。 「こっちから誘ってんだからちゃんと来いよぉ!オラッ、キラーチューン!!」 女は連続で衝撃波を撃ち出す。平面なアスファルトが砂だらけになり、砂埃が舞う。 このままでは袋小路に追い詰められる。 意を決して、シオは踏み出した。
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