6.ダンジョンプレイ【ハイド・アンド・シーク】

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その瞬間、音叉が甲高い音を奏でて超高速で振動した。 「リミックス!」 空気が膨張したかのように、音叉から発せられた振動、いや『音』にシオは弾き飛ばされた。 「うわっ!」 体を何度か床にぶつけたが、受け身を取って立ち上がる。全身が砂まみれだ。 「…そうか、音…。」 砂を払いながら、シオは呟いた。 「あぁ?なんかぬかしたか?」 女は音叉が起こす音、空気に伝わる振動を媒介に攻撃している。 風と違い、空気のみならず直接物体自体に影響を及ぼす為、シオには聊か分が悪い。 「ま、なんでもいいけどぉ?オメェさっきのヤツらより強いじゃん?」 「……。」 シオは何も答えない。瞳には例の翳りが見えている。 シオは女を凝視する。 手元で何か音が聞こえるが、もう聞こえない。
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