6.ダンジョンプレイ【ハイド・アンド・シーク】

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「…いっちゃえよ。」 「バカかお前は!」 角から僅かに顔を覗かせ、様子を窺うリクにアレンが囁きかける。 「アレはな、挑発なんだよ!普通あんなこれ見よがしにトランプで遊んでるかよ!先手取ったら負けるパターンだ…。」 「チキンだねーリクちゃん。」 「だったらチキンの背中に隠れてるんじゃねぇ!キモいんだよ!」 アレンはピッタリとリクの背中にくっついている。 「一番の親友に向かってなんてコトバを…。」 「だったらけしかけるな!ウルせぇんだよ!」 二人のようなやり取りは他からも聴こえる。 皆、一様に迷っていた。 ルーカは知ってか知らずか平然とトランプをシャッフルし、両手に挟んだ。 ゆっくりと右手を上げると、左手にあったトランプが数十枚の呪符にすり替わっていた。
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