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「…いっちゃえよ。」
「バカかお前は!」
角から僅かに顔を覗かせ、様子を窺うリクにアレンが囁きかける。
「アレはな、挑発なんだよ!普通あんなこれ見よがしにトランプで遊んでるかよ!先手取ったら負けるパターンだ…。」
「チキンだねーリクちゃん。」
「だったらチキンの背中に隠れてるんじゃねぇ!キモいんだよ!」
アレンはピッタリとリクの背中にくっついている。
「一番の親友に向かってなんてコトバを…。」
「だったらけしかけるな!ウルせぇんだよ!」
二人のようなやり取りは他からも聴こえる。
皆、一様に迷っていた。
ルーカは知ってか知らずか平然とトランプをシャッフルし、両手に挟んだ。
ゆっくりと右手を上げると、左手にあったトランプが数十枚の呪符にすり替わっていた。
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