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「そこにもいたか。」
リクの前に立ったルーカの一言と同時に背後に控えていた蛇がパックリ口を開けてリクに噛み付く。
リクは咄嗟に鳳嘴で防いだ。蛇の上顎の内側に鳳嘴が引っ掛かった。蛇は鋭く湾曲した白い牙を収納出来ず、リクが持ち上げる力も加わって蛇は口を閉じられなくなった。
リクの眼前で光沢のある牙がカクカクと動く。外見はさっきの鼠と同じぬいぐるみだ。フェルトに似た手触りの白い体に、×印の両目は明らかに手抜きだが、その牙だけ妙にリアルに作られている。
蛇は頭を大振りして、のた打ち、強引に引き剥がした。
「うわっ!」
蛇の怪力にリクは押しのけられ、ふらつきながらも体勢を整える。
しかし、蛇はすぐさま頭突きを仕掛け、リクを壁に押さえつけた。
「ぐがっ…!」
胸を圧迫され、肺の中の空気を全て吐き出しそうになる。蛇はギリギリと体重を掛けてきた。
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