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ルーカはサングラスを掛け直した。
口元には表情の欠片も浮かばせていない。サングラスが両目を隠しているせいもあって、それはさらに際立った。
唇の間からただ言葉を落としていく。
「わかっているだろう?今のお前達には我々がいる高みには届きなどしない。地べたの蟻に、鷹は落とせない。」
ルーカはそう告げて踵を返した。
「あっ…アイツゥ~…」
リクはシャンディラの×目に圧迫されながらも両腕を上げ、鳳嘴を抜こうとする。
「リクさ~、さっき迷ったでしょ?」
アレンは星目の噛みつきをかわしながら問い掛ける。
「…ああ…。」
リクは正直に答えた。鞘から刀身が見えている。
「なんでっ?!」
「遠回しに…弱いって云われた。」
「あぁっ?!」
刀身が半分見えた。
「ったく、とっ、足りない頭っ、でっ、意味ないこっ、とっ、をっ、してんじゃないっ!」
かわしながらの為話が途切れ途切れになる。
アレンは横目でリクを見やった。
「うっ、るっ、せぇ!」
リクは力を振り絞って鳳嘴を引き抜いた。
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