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ルーカは黙ってシャンディラが両断され、焼かれ、燃え尽きているのを黙って見ていた。
シャンディラの体は融けるように火に侵食され、白のフェルト状の表皮が真っ黒にただれ、やがて煙と混じりながら崩れ落ちた。
「ならせいぜい、望んだ空の風に、その身を切り刻まれればいい。」
ルーカは再び人型を配して、新しいシャンディラを生み出し、背を向けた。
「名乗れよっ!」
リクが鳳嘴を突き付けて叫んだ。
ルーカはゆっくり、首を捻った。
サングラス越しでもわかるくらい視線を鋭利に研ぎ澄ましている。
「今から、アンタの所に行ってやる。」
リクは不適に笑って見せた。
心に暗雲は無い。
身震いがするほど、晴れ渡っていた。
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