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余裕綽々と一年生達を手玉に取るリーシェンだが、目の前に一際大きいハンマーが振り下ろされた。
「おぉっとっと!」
綺麗にターンしてかわすリーシェン。振り下ろされたハンマーはリーシェンが立っていた場所を大きな振動と共に陥没した。
「さっきから煙いっすよ~センパイ。未成年がタバコ吸っちゃダメなの知ってます?」
ハンマーの持ち主、シャーロックはハンマーを構える。西ゲートにいるクラスメイトで一番大きい武器を持つシャーロックが一人リーシェンの前に立ちはだかる。
そしてリーシェンの後ろの、すっかり煙に覆われた空間には八人のクラスメイトが並ぶ。
完全に挟まれているが、リーシェンは欠片も焦りを見せない。
「あぁ、コイツは電子キセルだよ。出てるのはただのスチームだから喫煙にはならんさね。」
「へぇー…、ソイツはイカすッスね…。」
リーシェンの話しぶりに焦燥が無いのを見てシャーロックは舌打ちする。
「お前サンの得物やら刺青も中々イカすじゃない。」
「ソイツはどーもっ!」
シャーロックは礼と同時にハンマーで殴りかかる。
ヒラリとかわすリーシェンのキセルから出ている煙が顔に当たり、シャーロックの肌を湿らせた。
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