6.ダンジョンプレイ【ハイド・アンド・シーク】

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余裕綽々と一年生達を手玉に取るリーシェンだが、目の前に一際大きいハンマーが振り下ろされた。 「おぉっとっと!」 綺麗にターンしてかわすリーシェン。振り下ろされたハンマーはリーシェンが立っていた場所を大きな振動と共に陥没した。 「さっきから煙いっすよ~センパイ。未成年がタバコ吸っちゃダメなの知ってます?」 ハンマーの持ち主、シャーロックはハンマーを構える。西ゲートにいるクラスメイトで一番大きい武器を持つシャーロックが一人リーシェンの前に立ちはだかる。 そしてリーシェンの後ろの、すっかり煙に覆われた空間には八人のクラスメイトが並ぶ。 完全に挟まれているが、リーシェンは欠片も焦りを見せない。 「あぁ、コイツは電子キセルだよ。出てるのはただのスチームだから喫煙にはならんさね。」 「へぇー…、ソイツはイカすッスね…。」 リーシェンの話しぶりに焦燥が無いのを見てシャーロックは舌打ちする。 「お前サンの得物やら刺青も中々イカすじゃない。」 「ソイツはどーもっ!」 シャーロックは礼と同時にハンマーで殴りかかる。 ヒラリとかわすリーシェンのキセルから出ている煙が顔に当たり、シャーロックの肌を湿らせた。
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