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「くそっ!」
シャーロックが再び広がった靄を吹き飛ばそうとするが、靄の奥からリーシェンが飛び出し、シャーロックの顔面に跳び膝蹴りを喰らわす。
「グブッ!」
鼻血を噴き上げて倒れるシャーロックを尻目に、リーシェンはキセルを通して思いっ切り靄を吸い込み、混乱する八人に吹き付けた。
さらに煙の尾を手繰って床に付けると、キセルの先端でそこを思いっ切り擦った。
「ファイアーワーク。」
白に包まれた空間が、急激に赤に置き換えられた。共に爆音が、衝撃が、焦熱が、閃光が、生まれ、拡散した。
ラウルが咄嗟にクリアシェルでシャーロックごと覆い、爆風を防ぐ。
「クッ、ハハハハハハ!さぁてはて、活路が開けたねぇ!」
リーシェンは高笑いする。さっきのような醜悪さとは対極の、無邪気で取り留めのない笑い声だ。
「いや~、堪忍してな!何となく想像で云ってみたけど当たるもんだねぇ!見事に図星だったとは!」
リーシェンは涙目にまでなってみせた。
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