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リーシェンは背中を見せたシャーロックを跡を付いていく。
「さぁてはて…一人か二人残しておくべきだったねぇ。」
大雑把な道筋はわかるものの、それでも地図が無い不便さに舌打ちすると、マイクフォンに通信が入る。
『リーシェンか?そちらはどうなっている?』
平坦な口調、語りかけてきたのはルーカだ。
「上首尾!上首尾!今逃げた二人を一周ルートでトレースしてるよ。」
『レベッカが足止めされている。アイツの分も片付けてくれ。』
「あぃ?また手間な…。」
『例の中和魔法使いにぶつかったらしい。アレを押さえてくれるのは有り難いが、釘付けにされては役に立たん。』
リーシェンはため息をついた。
「辛辣だねぇ…。そちらは?」
『もうじきアッシュと合流する。まぁ手筈通りに事は進んでいる。』
「ソイツは結構。んじゃ、後にな。」
リーシェンは通信を切り、キセルを吸った。
「さぁてはて…。」
追尾の歩調が、速くなった。
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