6.ダンジョンプレイ【ハイド・アンド・シーク】

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リーシェンにシャーロック達が追われる一方、北ゲートでは 「グガッ!」 一人の一年生男子の槍が叩き落とされ、さらに首根っこを掴み上げる。 「グッ…ギッ…。」 太く、長い腕の先にある大きい手は幾枚の鋼鉄を重ね、組み合わせた黒い鉄甲が見える。 「なんと惰弱な…。」 男子を締め上げる巨躯の人影。 逞しく、精悍な顔立ちに赤い瞳、頑強な筋肉で覆われた体は格闘家のそれと大差ない。 アッシュ・ウィングスはそのまま男子を落とした。力無く崩れ落ちた男子は白い光と共に転送される。 似たような光景をアッシュはこれで四度見ている。 魔法もさして使用していない。戦いに来たのに、確実に勝利を重ねているのに、力だけが空回っている気分だった。
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