6.ダンジョンプレイ【ハイド・アンド・シーク】

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直後に体の自由を制約していた重力負荷が消え、唐突に手足が軽くなる。 アッシュは素早く体勢を立て直すが、シェリルと入れ違いに接近したデイジーは両方の拳をもう作っていた。 「クソッ!」 アッシュは両腕を交差させ、デイジーは両腕を強化させる。 「バーニンブラット、ツインカノン!」 急激に膨張した両腕が砲弾の如くアッシュに撃ち込まれた。 「次はっ…肉体強化魔法かっ…!」 アッシュの交差した両腕が衝撃を緩和させるが、余りの反動にアッシュの巨体は地から離れる。 アッシュはどうにか両足を着地させ、数歩重ねながら後退する。 だが、停止した途端に容赦なくグラビティヨークがアッシュの自由を大地に打ち付ける。 再び固定されたアッシュ。すると身に付けているネクタイが半分落ちた。シェリルのレイピアが切り裂いていたのだ。 「…やってくれる…。」 忌々しげに、アッシュは眉間に皺を寄せる。
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