6.ダンジョンプレイ【ハイド・アンド・シーク】

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アッシュは視線を微動だにせず、両手を全開し、二つのレッドテールを発射する。 そこから撃ち出されたレッドテールは大きく上に湾曲してアッシュの追い越すと、さらに複雑な軌跡を描きながらエリス達に迫る。 だが、二つのレッドテールはエリス達に届く前にいきなり逆方向に進行した。レッドテールは速度を変えずに発射したアッシュ自身を襲う。 「っ!!」 アッシュは咄嗟に操作してレッドテールの軌道をずらして左右の壁にぶつけた。壁の破片が飛び散り、粉塵が舞う。 粉塵が晴れると、蝋色漆ではない、白い鉄扇を翳すエリスが立っている。 「…『白露』。」 アッシュは明らかに重力操作ではない現象に当惑するが、答えはすぐに辿り着いた。 「斥力か…。」 「御名答!」
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