ノイズ・イン・ブルー

6.ダンジョンプレイ【ハイド・アンド・シーク】

攻撃に失敗したアッシュがレイピアの持ち主と目を合わせると、シェリルは信じられない身の切り返しで移動し、壁を蹴って跳躍した。

アッシュの顔面目掛け跳び蹴りを繰り出す。

アッシュは反射で防御にかかるが、ある違和感を感じて慌てて正面に目を向ける。

そこには、アッシュの至近距離の、アッシュの真下にシェリルが控えていた。

確認した瞬間、跳躍したシェリルが繰り出した跳び蹴りがアッシュの頭をすり抜けた。

「同じ手を…。」

アッシュが感じた違和感は、シェリルが壁を蹴った時に音が聞こえなかったのだ。
デュアルビジョンはあくまで視界に作用する幻覚である為聴覚には欠落が生じる。

アッシュは迅速にシェリルの頭を両拳で叩き潰す。