6.ダンジョンプレイ【ハイド・アンド・シーク】

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アッシュは少しの間立ち尽くして沈黙していた。首を左右に傾け、ゴキゴキと関節を鳴らす。 「さて、鼓舞は終いか?」 「えぇ、とりあえずアナタが倒れた後に背中を踏みつけてVサインって予定デス。」 悠長な口振りにエリスは挑発で返す。 アッシュは大きく息を吐いた。 「結構な事だ。我々は中央制御室の操作で転送されるからな。向こうが判断を下すまでラグがある。いくらでも踏みつければいい。」 淡々とマゾヒストに捉えられない発言をするアッシュ。 「大人しくそうされてくれないようですね…。」 エリスの表情に警戒の色が滲む。ここまでは確実に劣勢に立っているアッシュだが、焦った素振りを見せてはいない。 「勝利に酔いしれたいなら…本気で潰し合った方がよかろ?」 アッシュは右手の拳を床に叩き付けた。
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