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「大丈夫…、まだやれる…。」
デイジーは起き上がり、壁にもたれた。
デイジーが転送されていないのを見ると、戦闘不能になる程の傷じゃない。しかし、ダメージの大きさは顕著だった。
「それより、シェリルを…。」
「私も、大丈夫…。」
シェリルも起き上がり、その場にしゃがみ込んだ。咄嗟に魔力を高めて防御力を上げたのだろうが、体中を巡った痛みがまだ残っているらしい。仕切りに左腕をさすっている。
「フゥ、とりあえず脱落しなかっただけでも奇跡ね…。あっ、無理しなくていいのよ?」
心配するエリスにデイジーは指を突き付ける。
「お前はどーなんだ、エリス!」
「私は大丈夫、ノープロブレム、モーマンタイよ。」
エリスは気丈に笑いながら、鉄扇を振るった。
床に円が出現し、暖かな光を差す。
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