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シェリルは内股でしゃがみ込み、レイピアを両腕を抱き締めた。
目を伏せて、肩を窄め、キュッと閉じこもっている。
だが、意識の一部が枝分かれして、デイジーに引き寄せられている。
「まだツラい?」
エリスの問いに、シェリルはその意識を引っ込めた。
「ううん…楽になった。」
エリスに笑顔で返すがぎこちない。それをエリスは目ざとく見つけた。
「ホントに?」
「ホント…大丈夫、だから…。それより、デイジー…。」
「ん?」
デイジーは惚けた表情を見せる。
「私なんかを庇って…。そんな、ケガして…。」
「あー、あたし頑丈だから。気にしないで。」
あっさりとした返事がシェリルを不安にさせた。
デイジーは尚もシェリルの表情が晴れないのを訝しげに思う。
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