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「誰もシェリルを責める権利なんて無いわ。今はただみんなの無事を喜べばいいの。」
エリスが上げた笑い声を、シェリルは締め付けるように心に纏った。縮こまっていた心をまた締め付けた。
「ねぇ、シェリル。後、デイジーも。」
エリスはスカートを払いながら立ち上がった。
「私達三人はみんな信頼しあっている。まだお互いに知らない事もあるわ。だから、まだ近づききれていない所もある。失敗してしまった時に笑顔で庇い合う仲じゃないし、責めたりペナルティを与えるみたいなドライな仲でもない。」
鉄扇をしっかりと握り締めた。
「でも、私達の間に信頼がある以上。失敗したり、責任を感じた時は信頼で返して。」
厳しい光を湛えているが、強い意志がエリスの瞳に宿っていた。
デイジーは力強く頷き、シェリルはエリスの意志を心に留めた。
まだ躊躇いも迷いもあったが、少しだけ、心を緩めた。
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