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「24・サーチライト。北へ展開。」
円柱に賽の目が走り、バラバラに分解しながら北へ向かった。
「個人の楽しみを遂行する事は勝手だが、指揮官が迷惑する事は是非とも念頭に打ち付けておいて欲しいな。」
アッシュは肩をすくめた。
「レベッカにもよく言い聞かせておけ。足りない頭で苦労していると思うがな。」
「苦戦してるのか?」
アッシュはまた円柱を操り、東に展開させる。
「南ゲートエリアで戦いっぱなし、度々移動しているが相手を追いかけ回しているだけだ。時たま横槍を入れる輩を片付けているがね。」
「相手は?」
「シオ・クォール。不可思議な魔法を使うイレギュラー。こういうのは全く御免被りたい。」
ルーカは一体のクンビラが映し出している映像を苦々しく見つめる。
見つめると云っても、映像には砂嵐しか映っていない。
「どうしたんだ、それは?」
「奴が魔法を使うとこうなる。クンビラは無事だが魔力の流れをかき乱されている。」
アッシュは笑った。どことなく嬉しげだ。
「まぁ番狂わせはあるに越した事はない。疾風に頸草を知る、だ。」
「備わるを一人に求むるなかれ、とも云う。無意味な期待は個人を駄目にする。」
「重い言葉だ。」
アッシュは三つ目の円柱を南に配置した。
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