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「リーシェンは?」
「アイツが一番良くやっている。西ゲートから逃げた二人を追いかけ回しながらお前が取り損ねた北の連中をちゃんと片付けて……ん?」
「どうした?」
アッシュは最後に西に円柱を送った後、振り向いた。クンビラから映し出している映像が一つ砂嵐に変わっている。
「リーシェンが戦闘に入ったようだ。クンビラが一体やられた。」
ルーカは目配せすると、砂嵐を映し出していたクンビラが一体カサカサと音を立てて移動した。
「さて、全ての膳立ては整いつつある。まさに魚の釜中で遊ぶが如し、彼らには精一杯遊んでもらおう。」
サディスティックな笑みを浮かべるルーカと対照的に、アッシュは真剣な眼で北ゲートエリアの映像を見つめる。
ブラッディーアネモネを受けて、尚も耐えてみせた三人がいる。
考えれば、リーシェンから逃げる二人も現在レベッカと戦うシオも、格上相手に生き残っているのだ。確実に1-Bのメンバーは減っている。
が、生き残っている者も確実にいた。
「渇に臨んでから井を穿ちたくはないモノだ…。」
アッシュは焼けて千切れたブレザーの袖を破り捨てた。
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